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季節は巡って、再び春。
何も変わってないようで、確実に何かが変わった。
ただソレが何なのか分かりそうで、誰も掴めない。
(一年、か。早かったな…)
日が高くなり、南向きの窓から太陽が部屋を照らし室温をあげた。
「文夜様、お手紙が届いておりますが…?」
封筒を手にし部屋に入ってきた葵が不思議そうな顔で主に告げた。
勿論手紙が来ることに対してではない。
「!?
この字…夾夜か?」
手紙を受け取った文夜も軽く声をあげた。
葵が不思議そうにしていたのも無理はない。
来るはずのない手紙が来たのだから。
文夜はすぐに封を切った。
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