1.帰ってきた二人

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PM3:30 その後、二人は職員室に行って書類を提出し 『完全復活だな。これからも頼むぞ~。』 などと教師からの賞賛を散々受けて、解放された時には職員室に来た時から10分もたっており…やや早足で部室へと向かった次第だった。 「慶…、今年はどれくらい新入生が来るかな?」 「さぁな…。有名な明月夾夜に憧れて入部する奴が多々出るだろうが…本人がサボリ魔じゃなぁ?」 部室で着替えながらも嬉しそうに言う夾夜に慶は苦笑して答えた。 「キッツ…、それ言うなよ。俺だってサボりたくてサボってんじゃないんだし。それに机に向かってるよりも体を動かす事の方があってることくらい慶だって知ってるだろ?」 夾夜は痛いところを突かれ、声が小さくなる。 「分かってるって…。それは承知してる。言わなくても分かると思うが今日は正装だぜ?」 そんな夾夜に慶はクスクス笑って言った。 「分かってるよ…、面倒だけど。」 慶の言葉が気に入らなかったのか夾夜はご立腹な様子でムスッと慶に言って、溜息をついた。 夾夜が面倒と言ったのは正装で部活に参加しなくてはいけないことだ。 いや、もともと正装で参加が基本なのだが…夾夜だけはいつも略式、つまり体操服などで参加していた。 先生&部員たちは無駄時間省略として丸め込んだのだが、ぶっちゃけ夾夜は正装に着替えるのが面倒なだけであった。 「どうせ打つつもりはないんだろ?…ってそんな時間ないか。」 そう、こんな日は特に… 「あぁ、今日は挨拶のみで解散だな。…余計にうっとおしいな。」 今日の部活終了は4時。 つまり時間はもう30分も残っていないわけで…。 着替えてもまたすぐ着替えなおさなければならないことが夾夜にとって面倒なことなのだ。 しかし、規則は破れないのが新入生との交流があるこの時期。 夾夜は諦めたという顔で溜息をついた。 「夾夜…、とりあえず言っとくが…そんなんだからサボリ魔だって話が校内を飛び交うんだぜ?」 「…そんなの俺の所為じゃない。立場上の問題だ。」 呆れ声の慶に夾夜はほっとけ…と小さく呟きながら袴の帯を締めた。 「ん?…夾夜、この時期に羽織が必要か?」 「あぁ…、俺のは一応これが正装だから。とりあえずサボリ魔部長の看板背負ってるわけだしね。」 服装をキッチリ整えて答えると、夾夜はもう今日何度目か分からない溜息をついて慶と部室を後にした。
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