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5月5日は夾夜と光夜の誕生日。
有名な家系なのだから誕生日という名ばかりのパーティーを開くのは目に見えていて…。
「夾夜お坊ちゃま…、さてはご自分のお誕生日をお忘れで…?」
発された夾夜の言葉に執事はあっけらかんとして主に聞いた。
「………。
俺はもう出かける。光夜、行くよ。」
夾夜にしてみれば普通じゃない誕生日で、その上好きじゃないパーティまで開かれるのだから誕生日なんて良い思い出ではなかったのだ。
執事の言葉に夾夜はムッとして、学校を休む休まないの議論からずっと黙りこくって玄関の前に立っていた光夜に声をかけた。
「あっ…うん。」
機嫌の良い時なんて無いに等しい夾夜だが、言うまでも無く執事の失言のおかげで機嫌が悪いままで二人は少し険悪なムードを漂わせて出掛けて行った。
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