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所変わって、私立海星学園中等部の正門前でも同じようなことが起こっていた。
立帝学園前に停車した車と同じ型のベンツが停車したからだ。
「行ってらっしゃいませ、光夜坊ちゃま。」
同じく運転手が車から降りてきて、後ろのドアを開ける。
すると中から海星学園の制服、白ランに身を包んだ少年が降りてきた。
「行ってきます。」
光夜 と呼ばれた少年はやはり比較しようのない緑がかったライトブルーの髪と冷たいディープシーブルーの瞳を持っていた。
もう言うまでもないだろうが、彼等は一卵性双子イコール兄弟である。
立帝学園に通う兄、明月夾夜。
海星学園に通う弟、明月光夜。
都内では知らない人はいないであろう、明月総合病院院長の息子であり古くからある明月家の当主のご子息でもあった。
その上その容姿と、躾けられた性格や要領の良さは生徒達だけではなく先生まで、誰をも引き付けた。
いわば人気者である。
その人気者たちは、生徒からは慕われ先生たちの信頼も厚く学校で唯一の地位を持っていた。
ーーー生徒会会長--- の地位
まぁ、あまり目立つ事が好きではない彼等にとっては迷惑な話であったけれども…。
彼等は3ヶ月の時を経て日本へ帰国した。
これからどうなるかは彼等にもまだ分からない。
ただ彼等は 何か に決着をつけなければならないのだ。
それは Fate。
定められし 運命 という壁。
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