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「ハハッ…そういや疲れてるんだったな。わりぃ。」
彼等は女子生徒たちがあけてくれた道を歩いてクラス掲示板の前まで行った。
もっとも女子生徒たちが道をあけてくれるのは、並んで歩く美男子二名に見とれていたからであるが…
「やっ、お二人サン。一緒なんて珍しいジャン。」
二人が掲示板の前まで行くと、寝癖でか…それともセットなのか?
どちらにしろ軽く髪を飛ばした少年が声を発した。
「遊也。」
彼の名前は上遊也。夾夜や慶の幼馴染である。
夾夜は遊也を見て微笑んだ。
「一緒に来たの?」
遊也は夾夜と慶が一緒にいることをさも不思議な光景でも見るかのように首を傾げて問う。
「いや、我等が敬服する生徒会会長様のお出迎えに…。」
それに答えたのは慶だった。
しかもその口調は面白がっているようで。
「あーーなるほど・・・。」
慶の答えに納得したのか遊也はニヤリと笑って頷いた。
「慶、遊也。くだらないことはスルナ。さっさと行くぞ?」
「夾夜、クラスは?」
「もう見た。3人とも1組だ。」
夾夜はクスリと笑った。
立帝学園の1組というのは学年問わず特別コースだった。
成績順で上から30人だけと言う実力者ぞろい。
「ヨロシクな?慶、遊也。」
夾夜・慶は中1の時から1組だった。
「ハイハイ、ヨロシクされてやる。」
慶は苦笑してそう言った。
「なんだ?光栄だろ?」
不満そうな慶に心外だなぁ…というような顔で夾夜は言った。
「ああ、光栄だな。」
「今年もヨロシク、夾夜。」
遊也は中2の時から1組に抜擢されたのだった。
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