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 どれだけ悪夢に苛まれていても、日々の生活は淡々と続けていた。  変わらぬ生活を送ることで、心身の均衡を保とうとしているのかもしれない。  アルバイトと、アルバイトではない日を繰り返すことによって日々を紡いでいる僕だが、2か月に一度くらいはリクルートスーツに身を固めて、企業の採用面接に挑むこともある。  暖気すぎる頻度かもしれないが、なにせ主張するところを持たない僕だから、一回の面接で、情けないくらいに心身のエネルギーを消費するのだ。  それでいて面接の直前になると、強い不安と緊張を感じながらも、一方では妙に冷めた心持ちになる。  この妙な心理状態は、自分でも扱いが難しいと感じるくらいだ。  そして面接中になにをしゃべったかは覚えていないことがほとんどだ。  そんな具合だから、僕のなけなしの努力は、まだ実を結んでいない。  思い返してみると、面接の前夜の夢の中に出てくる「僕」はスーツを着ている、ということに気付いた。  「スーツに着られている」という感想を抱きながら鏡に向かうことがしばしばだったが、スーツ姿の「僕」も、やはりというか、全く同じような印象だった。  
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