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面接官から見た僕はあんなふうなんだな、と思いを巡らせる。
夢の中とはいえ、自身の肉眼で自身の姿を目視するという稀有な体験だ。
自分で言うのも酷だが、スーツはお世辞にも似合っているとは思えないし、まるで見慣れない恰好なので、スーツ姿の「僕」は、他人に見えなくもなかった。
だからなのか、スーツ姿の「僕」が相手のときは、「自分に殺される」という理不尽さが若干ではあるが薄らぐような気もした。
救いようのない悪夢の渦中だからこそ、非現実感は少しでも排除したいものだ。
相手が曲がりなりにも「正装」であるということは、あたかも「仕事なので」とでも言うかのように理路整然と事が成されるような感覚の享受につながっているのかもしれない。
あるいは、それは「刑」が粛然と執行されるときの感覚にも似ているのかもしれない。
もちろん、現実世界で処刑されたことはないし、処刑されるような罪を犯したこともない。
「僕」がスーツを着ていたからといって、それ自体は、やはり何の救いにもなってはいない。
そういえば、スーツ姿の「僕」も左腕に包帯を巻いていた。
客観的に見ると、スーツに包帯というのは、何だか悪目立ちする組み合わせだな、と思った。
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