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 夜更かしはあまり好きではないので、同世代と比べると早寝なほうだ。  よって、朝はわりと無理なく自然に目が覚める。  起きれば、ちゃんと腹は減っているので、ささやかな朝食を摂る。  最年少なので、アルバイト先の書店には出来るだけ早めに到着しておきたい、と思いながらも、焦ることなく身支度を済ませて、下宿のそばのバス停へと歩く。  レジを打ったり、納品された本を棚に詰めたりして、時間は過ぎる。  休憩時間になると、昼食を買いにコンビニへ向かう。  あまり、食にこだわりはない。  勤めを終えたら、来た時と同じルートで、粛々と下宿に戻る。  適当に夕食を摂り、本を読んだり好きなことをして、日付が変わるころにはベッドに入る。  そんな生活を、特に疑問や迷いを持つこともなく、ただ淡々と繰り返している。  生きるために働いているという意味では、正社員として企業に就職した友人たちと大差はないとも言えるかもしれない。  ひとつ明らかに違うと感じることと言えば、僕には、明日の予定があるようで、無い、ということだ。
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