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毎晩、決まって夢の中に現れる、もうひとりの「僕」。
おぼろげに発光しているかのような、濃厚なまでのその存在感は、闇の中でもしっかりとつかみ取ることが出来る。
「僕」の服装は普段着だったり、アルバイト先の制服だったりとまちまちだが、行うことはいつも同じだ。
「僕」は、僕に向かってゆっくりと歩み寄ってくると、不意に両腕を伸ばしてくる。
その手は、躊躇無く僕の首を絞め出す。
振りほどこうと僕は必死で抵抗するが、「僕」はまるで力を緩めない。
絶望、なぜという疑問、空気に溺れるような窒息感で、こと切れる瞬間、目が覚める。
小鳥の声がかろやかに響く。
外はもう、朝になっている。
呆然としながら天井を見つめ、夢の続きのまま止まっていた息を、深く吐き出す。
遅れるようにして、心臓の鼓動が聞こえてくる。
眠ったという感覚は、全く無い。
また、この夢か……。
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