チャンス到来?

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「なんかいい感じやん」 話を聞いた薫が、機嫌悪いのも忘れたみたいに笑った。 あ、ちなみに薫には、薫のこと話したとは言うとらん。 あんなこと、忘れられんでも思い出さん方がええねんから。 「えぇー、そう?」 「そう!絶対そうやって!」 思わず半目になったうちに、薫は大きく頷いた。 やって、あの話のどこにそんな要素あったん? 「よう考え?普通に考えて、あんな別れ方して、そんな風に話せるなんてすごいことやで?」 「いやまぁ、確かにそうかもわからんけど……」 中三の冬の終わりを思い出す。 後悔はしない主義のうちが、後悔してる数少ない出来事の一つ。 タカに、フラれたこと。 「あいつのことやから、めっちゃ気にしてんのかと思っとったけど…」 思ったよりも単純やったな、なんて薫は笑った。 「いいきっかけやん。これから頑張りや。……んで、アドレスは?」 「……あ。忘れとった」 この後、また薫に怒られた。 ……うっかりしただけやのに……。
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