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河野っちの思わぬ爆弾発言に、三人が三人とも固まった。
「っど、どこで!?」
「えっと、あの、どこやったっけ?確か、駅前のでかい本屋だったはずやけど……」
うちらに詰め寄られて、焦りながら説明する河野っち。
河野っちが持ってるのは、そこの本屋と駅とは通りを挟んで反対側のスポーツ用品店の袋やった。
きっと、本屋の後に寄ったんやな。
ちょうどそこの真ん中の、駅への商店街、通称大通にうちらは今いる。
「いつ!?つかほんまにタカ!?」
薫もいつもの人見知り忘れて河野っちに詰め寄っとる。
うち、うちは…!
「あ!陽菜先輩!!」
「陽菜!」
「青ちゃん!」
みんなの声を背中にしながら、気付けば本屋目指して走り出してた。
ほんまにタカ?
なら、なんでこんなとこにおるんやろ。
京都駅から乗ってるなら、こんなとこで降りる意味がわからん。
なぁ、なんで?
頭の中が混乱しとる。
でもとにかく今は、その人がタカかどうか確かめるために走った。
タカやったら、いいな。
……やっぱり会いたいねん。
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