恋とはうまくいかないものなのです

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「……でもな、わかっとったけど、やっぱり俺、青柳さんのこと、諦められへんかってん。できるんなら、あの人の代わりに俺が幸せにしたかったんや」 ……なんや、河野くん。 最初のめっちゃヘタレとちゃうやん。 カッコええやんか。 ……でも。 「ごめん……」 うちはやっぱりあいつが好き。 フられても会えへんでも、ほんまにあいつが好きなんや。 「謝らへんでや。困らせたい訳ちゃうねん。……きっとそんな青柳さんやから、俺は惚れたんよ」 「河野くん…………クサいで」 「えっ!?」 思わずいつもみたいにツッコんでしもた。 でも、あわあわしとる河野くんはめっちゃ可愛いわ。 「……ありがとう」 ほんまにありがとう。 うちも河野くんのこと好きになれたら、きっとめっちゃ幸せなんやろな。 そう考えると、うちはなんであいつが好きなんやろ。 ……やっかいな恋心や。 そして、この一か月後。 3年のクラス替えで河野くんと同じクラスになってまうなんて、なんてやっかいな話なんや。
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