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「あっかーーーん！！」
嫌な予感は正しいことの方が多いですね。
「遅刻やー！！」
いやもう全然、遅刻ではないんやけど、ある意味遅刻やし！！
ちょっと朝風呂ゆっくりしすぎた！
ついでに歯も磨きすぎたかも！
つか、鏡見過ぎたかも！
うち、どんだけやねん！
「いってきますっ！」
毎朝自分で作っとる弁当つかんで、玄関を飛び出した。
もう走っても間に合わんかもー！！
そう考えながら大股三歩で門を出ようとした時。
「わっ！」
「おわっ！」
び、びっくりしたー！
歩いてきた人とぶつかりそうになってしもた。
つかこんな時間に人いると思わんかった。
いつもこんな時間はまだベッドの中やもん。
お互い大変ですねっ！
「ご、ごめんなさいっ！」
慌てて謝って、ろくに相手も見ずに走りだそうとしたら。
「……ひな？」
いきなり名前を呼ばれた。
は？誰？
改めて振り返ると、うちと同じぐらいの男の子。
つか、見た顔。
めーっちゃ見たことある顔！
「た、タカ……？」
目をまんまるくしてそこに突っ立ってたのは、今うちが必死に走って会いにいこうとしていた男。
浅川孝昭。
通称タカ。
………………。
なんでやねん！
漫画じゃないんやで！
アホか！
……こ、心の準備ができてないねん！
「ひ、久しぶり、やな」
「お、おん…。久しぶり」
思わずギクシャク。
だってな、だってな。
北山学院の制服って、やっぱり普通とちゃうねん。
バスケのおかげで、すらーっと伸びたタカに、めっちゃ似合うとる。
つか、二年の間に、また男前上げた？
昔からモテてたけど。
あーもー、どうしよー……。
うちの好きな人は、相変わらずカッコいいままでした。
むしろ惚れ直してまうわ。
……神様、なんでこんな再会なん。
期待、してしまうやろ。
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