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「うん……。私も翔真を幸せにしてあげる」
私を抱き締める翔真の腕が『まだ足りない』とでも言うように私の身体に絡みついた。
周りに人がいないかどうかちょっとだけ気になったけど、いまはまだ翔真から離れたくなかった。
資料室であれだけたくさんの社員(野次馬)に目撃されたんだもの。
誰かに見られたって構わない。
さすがに息が詰まりそうになってきた私を解放するように、腕の拘束を解いた翔真が私に言った。
「まひろ、もう一回目を閉じて」
狂おしいほどに力強く抱き締められて、ドキドキのボルテージは最高潮に達している。
今度こそ、今度こそ……。
期待に頬を赤く染めながら、うっとりと目を閉じた。
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