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私は前から疑問に思っていたことを聞いてみた。
「あの……。高柳さんはわたしと佐伯主任が付き合っていることを知っていたじゃないですか。どうしてそれを小久保課長に言わなかったんですか?」
「ああ、そのことね。もうどうせシャイニングも辞めるし、貴女と話をするのも最後だろうから教えてあげるわ」
ずっと不思議だった。
小久保課長は最後まで私と宮本課長が"ただならぬ関係"だと信じて疑わなかったようだし。
高柳さんはあの怪文書にも加担してたはずだけど……。
「それは、せめてもの罪滅ぼしよ。翔……ううん、佐伯主任への償いのつもりだったの。彼は私に拓実さんとの不倫をやめろって、俺だけにしろって言ってくれた。真剣になってくれたのに、そんな彼を裏切ってしまった。その時は私の本命は拓実さんであって、佐伯主任とは寂しさを紛らすための関係でしかなかった」
それから高柳さんのことを拒絶するようになったんだよね。
同じ部署になってもそれは変わらなかった。
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