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「なあ、今の俺たちの関係を言ってみて」
……え?
デジャヴかと思った。
だってその台詞って『あの時』と同じだよね。
「会社では上司と部下。部署は違うけどそうだよね。それ以外では……」
改めて言葉にするのって恥ずかしい。
困って翔真をチラ見すると、思いの外真剣な眼差しで私を見ている。
どうしても言わせたいんだ……。
「翔真と私は……彼氏と彼女。恋人同士」
きっと顔が赤くなっているはず。
「……惜しいな。もう一声」
「えっそれじゃあ……。こっ…婚約者!そうよ私は翔真のフィアンセだもんねっ?そうよね!」
恥ずかしいの通り越して、テンションが可笑しくなった。
わざとチャラけてみたけど不自然極まりない。
「………………」
ちょっと翔真。
黙ってないでなんとか言ってよ。
なんだか変な空気で気まずい。
そんな確認なんかして、何がしたいの?
「自覚はあるみたいだな、良かった」
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