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「だって!プロポーズもされていないのに、婚約とか決まっちゃって……。なんだか実感が乏しくて……」
「俺の中ではまひろと結婚するってことは当然であり必然だった。だから早く周りの人達に認めさせたくてたまらなかった。それで一番肝心なことを後回しにしてしまったのかもな。だけど俺だって男らしくバッチリ決めるつもりだったんだ」
そんな風に思ってくれていたんだ。
今日の翔真はちょっと変だと思っていたけど、覚悟決めてくれてたからだよね。
「じゃ早速だけど聞かせてもらおうか。返事は『YES』か『はい』で、5…」
「はい」
もう答えはとっくに決まっていたんだから。
返事をするのに5秒も要らない。
「私を……『佐伯まひろ』にしてください!」
感極まって思わず翔真に抱きついた。
ひざまずいていた翔真はよろけそうになりながらも私を受け止める。
そして立ちあがってから体勢を立て直し、しっかりと抱き締めてくれた。
「ああ、してやるよ。幸せにしてやる……」
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