第1章 平凡な生活よ goodbye

2/4
前へ
/5ページ
次へ
入学式とは実に退屈なものだ。校長のくだらない話を聞き、来賓のつまらない祝辞に頷く。まったく、面白くない。おっと、いかんいかん。この態度のお陰で不良扱いされてるんだから気を付けなければ。 そんな事を考えている内に式が終わる。はぁ、やっと帰れる。そう思っていたのだが、 「それでは、生徒の皆さんは学級組織決めが有りますので、一度教室に戻ってください。」 「!?」 それは予想外の発言だった。てっきり学級組織決めなんて2日目以降にやるもんだと思っていたのだが、まあ良い。さっさといってぱっぱと決めますか! そう意味のない事で燃えて、階段を勢い良く駆け上がるのだった。 ーーーーーーー 「さて風紀は後で決めるとして、常任と教科を決めていくよ。」 そう言ったのは、ここ1ー3の担任 柳瀬 涼子先生。個人的には楽な教科委員が良いのだが、どれにしようか? 保険・体育は回数は少ないが、前にでて準備運動をしなければならない。それは面倒だ。 英語・音楽・図工・技術・家庭は得意じゃないし。 なら、国語か数学か社会か理科だな。 まあ無難に国語かな。 ーーーーーーー 「では、委員会はこれで決定ね。一応、明日風紀の選出が有るからね。せめて2人は必要だから、決まらなかったら国語の宿題倍増だからね。」 そう。俺の委員会である国語教科委員会の一年生担当は柳瀬先生なのだ。というか、倍増って!理不尽すぎるだろ! まあ、取り敢えず終わったし帰るか。」 ーーーーーーー 昇降口を出て帰ろうとした時、校舎裏の方から声が聞こえた。 はて、何だろう?と覗いてみると3人の男子生徒が話し合っていた。 「俺ら友達だろ?少し金貸してくれよ。」 「えっ、いやでも・・・」 「『でも・・・』何だよ。」 「この前貸した分まだ返して貰ってないんだけど・・・」 「はあ!?そんな事どうでもいいだろ!早く金貸せよ!」 なる程、カツアゲか。だが、どうするべきか。先生を呼ぶべきだろうか?しかしそれは時間が掛かり過ぎる。 そう悩んでいると女の子の声が聞こえた。 「あなた達、そこまでよ!」 あれは・・・同じクラスの高峰だっけ?なにしてんだあいつ!? 「はあ?誰に向かって口利いてんの?」 「あなた達に決まっているでしょ?他に誰がいるのよ?」 真面目な彼女のその答えに彼らは笑い出した。 「ふはははは!お前バカだろ?そういう意味じゃねえんだよ!」 そう言った彼は彼女に蹴りを加えた。
/5ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加