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入学式とは実に退屈なものだ。校長のくだらない話を聞き、来賓のつまらない祝辞に頷く。まったく、面白くない。おっと、いかんいかん。この態度のお陰で不良扱いされてるんだから気を付けなければ。
そんな事を考えている内に式が終わる。はぁ、やっと帰れる。そう思っていたのだが、
「それでは、生徒の皆さんは学級組織決めが有りますので、一度教室に戻ってください。」
「!?」
それは予想外の発言だった。てっきり学級組織決めなんて2日目以降にやるもんだと思っていたのだが、まあ良い。さっさといってぱっぱと決めますか!
そう意味のない事で燃えて、階段を勢い良く駆け上がるのだった。
ーーーーーーー
「さて風紀は後で決めるとして、常任と教科を決めていくよ。」
そう言ったのは、ここ1ー3の担任 柳瀬 涼子先生。個人的には楽な教科委員が良いのだが、どれにしようか?
保険・体育は回数は少ないが、前にでて準備運動をしなければならない。それは面倒だ。
英語・音楽・図工・技術・家庭は得意じゃないし。
なら、国語か数学か社会か理科だな。
まあ無難に国語かな。
ーーーーーーー
「では、委員会はこれで決定ね。一応、明日風紀の選出が有るからね。せめて2人は必要だから、決まらなかったら国語の宿題倍増だからね。」
そう。俺の委員会である国語教科委員会の一年生担当は柳瀬先生なのだ。というか、倍増って!理不尽すぎるだろ!
まあ、取り敢えず終わったし帰るか。」
ーーーーーーー
昇降口を出て帰ろうとした時、校舎裏の方から声が聞こえた。
はて、何だろう?と覗いてみると3人の男子生徒が話し合っていた。
「俺ら友達だろ?少し金貸してくれよ。」
「えっ、いやでも・・・」
「『でも・・・』何だよ。」
「この前貸した分まだ返して貰ってないんだけど・・・」
「はあ!?そんな事どうでもいいだろ!早く金貸せよ!」
なる程、カツアゲか。だが、どうするべきか。先生を呼ぶべきだろうか?しかしそれは時間が掛かり過ぎる。
そう悩んでいると女の子の声が聞こえた。
「あなた達、そこまでよ!」
あれは・・・同じクラスの高峰だっけ?なにしてんだあいつ!?
「はあ?誰に向かって口利いてんの?」
「あなた達に決まっているでしょ?他に誰がいるのよ?」
真面目な彼女のその答えに彼らは笑い出した。
「ふはははは!お前バカだろ?そういう意味じゃねえんだよ!」
そう言った彼は彼女に蹴りを加えた。
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