2人が本棚に入れています
本棚に追加
さて、前回の続きを話そうか。
同じクラスの高峰が勇敢にヤンキー達に立ち向かい、蹴りを入れられた。・・・いや、はずだった。
とっさに動いた俺のガードによって高峰は蹴りは入らなかった。
「てめえ、なんのつもりだ!」
はぁ、下っ端感半端ない。これは弱そうだ(笑)
「『なんのつもりだ!』ねぇ。それこそお前らの方がなんのつもりだ!だけどな。」
「なにを言ってるんだ?てめぇはよお!」
「女に手あげようとするとか、人としてどーなんかね。」
「てめえ、人を馬鹿にしやがって!」
そう言った彼ら・・・いや、AとBは襲いかかってきた。だが、動きは遅いわ殺気は無いわでこれはモノホンの雑魚だ。
「さあて、どう調理してやりますか。」
殴りかかってきたAの拳を受け止め、叩き落とす。蹴りを仕掛けてきたBの足を掴み投げ飛ばす。はい、これで調理完了。
「にしても雑魚にも程がある。退屈しのぎにもならんかったぞ。」
だが、AとBは既に気絶しており聞こえる筈もない。
「まっ、帰るか。」
もう、帰ろうとしたその時、
「たっ、助けて頂きありがとうございました。」
震えながらに男子生徒が感謝を述べてきた。
「うんにゃ、俺は気ままに暴力を振るっただけだ。助けたわけでもない、ただ女子が殴られそうなのに黙って立ってる訳にゃあいかないよな。」
助けた?少年に軽く礼をしてから、帰ろうとすると、
「・・・待って!」
今まで黙りを決め込んでた少女がいきなり大声を上げたがら、俺らはかなり驚いた。
「さっき、この子を助けたことを『暴力を振るった』っていう表現をしたわね。それは何故?」
痛いところをつくなぁ。
「そりゃあ喧嘩を止めたり、規則を守るための役職に着いて居ないのに、殴って気絶させたら正当防衛を通り越して過剰防衛だろ。」
「そうだよね。よく考えてるね。」
そう言った彼女は愉快そうに笑った。俺には、それが何故か無性に苛立った。
「んだよ!なにか文句あんのか?」
「なわけ無いじゃないか、やはり私の目に狂いは無かったようだ。」
不適に笑う彼女はとても美しかった。
「・・・何にだよ。」
もう苛立などとうに消えていた。逆に心が躍った。そのせいで、返事をするのが遅れた。
「あなたを風紀にスカウトしたいんです。鹿呑屋 皐月君♪」
「なっ、なんで俺の名前知ってるんだ。」
そう言った俺に彼女は満足そうに笑っていた。
「それは私が風紀委員長だからです。」
・・・はぁ?関係無くね?
最初のコメントを投稿しよう!