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目が覚めたら、俺は布団に横たわっていた。
親父も姉貴もすでに起きていて、布団は片付けられていて、俺一人がその部屋にいた。
ゆっくりと身体を起こして窓のほうを見ると、陽の光の加減から、すでにお昼近い時間になっているようだった。
あれは・・・夢だったんだろうか。
しばらく呆然として、動く気にならなかった。
しかし、自分の気持ちと反して、腹のほうは減っていると自己主張してきた。
着替えてから居間のほうに行くと、姉貴が大きな座卓に肘をつきながら、テレビを見ていた。
テレビでは韓流の時代劇のようなドラマが流れていて、それをジッと見つめている。
「おはよう。」
隣に座りながら、姉貴に声をかけると
「もう、"おそよう"な時間だわよ。」
チラリと目だけ向けてきた。
「起こしてくれればいいのに。」
「起こしたわよ。だけど、あんたがまったく起きないんだもの。お父さんも呆れてたわよ。」
"ブランチにでもする?"と、言いながら台所の方に向かう姉貴。
そう言って出てきたのは、ご飯とみそ汁に、目玉焼きと漬物。
ブランチというには、純和風な朝ごはん。
確かに、この家に、洋風なモノがあるようには思えないし。
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