終章

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俺は慌てて返事を送った。 "今、どこですか" すぐさま返事が返ってきた。 "もう、新幹線乗ってる" あまりの行動力に、俺は思わずしゃがみこんでしまった。 G県の親戚のところに行くとは言ってたけれど、具体的に場所までは教えていないというのに。 ここまで来るには何度か電車に乗りつがなくちゃいけないし、本数だってそんなにない。 下手したら・・・今日の夜に着けばラッキー・・・くらいなのに。 「ああ、もうっ!」 俺は慌てて着替えると、自分の分の荷物だけ取ると、バタバタと居間に戻る。 「姉貴っ!車出せるっ!?」 「は?」 「佐近さんが、こっち来るってっ。俺、迎えに行きたいんだっ。」 「へ?なんで?」 「知らないよっ。」 なんで来ようとしてるかなんてわからない。 でも、きっと、何か感じてこっちに来ようとしてるんだっていうのはわかる。 そして。 俺も、今、すごく佐近さんに会いたい。
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