終章

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姉貴に頼んで最寄り駅まで乗せてもらった。 "戻って来なくていいよ"と笑って見送られて、俺は電車に乗り込んだ。 それからは、佐近さんと"今どこ?"を繰り返して、お互いが段々と近づいていることを確認しながら、ドキドキしていた。 日が傾きかけた頃。 俺たちは結局、中間地点の駅で待ち合わせることができた。 改札を出たところで待ち合わせようとメッセージを送って。 約束通りに、お互いの姿を確認できただけで、俺はなぜだか涙が出そうになった。 「綾くん・・・」 先に着いていた佐近さんが、俺の姿を見つけて駆け寄ってくる。 心配そうな表情だったけれど、彼の瞳が安堵の色を見せた。 「わざわざ来るなんて。」 それでも、こうして目の前にいるのを確認すると、嬉しいという気持ちが抑えきれない。 人目がなかったら、キスしてしまいそうだ。
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