アルバイト宇宙人の日常

京急油壺マリンパーク

「あの、もう直ぐ閉園なんですが、よかったら一緒にお食事いきませんか？」

「ぜひ、喜んでご一緒させていただきます。」とオレは立ち上がった。

実は、人間の形で詩乃ちゃんと話したのははじめてだったけど、オレの方はイルカとしていつも会話していたから絶頂のなかでも振る舞いは平静としていられた。

「私、今日は18時上がりだから、少し待ってていただいても大丈夫ですか？」

「はい、もちろん大丈夫です。正面ゲートで待ってますよ。」

「ありがとございます。ではまた後で」
詩乃ちゃんは手を振りながら嬉しそうに掛けて行った。

眠ってしまったのは不覚だったが、詩乃ちゃんとお食事いけるとはご馳走もんだ！日頃のご褒美かな。

よし、イルカスーツの調子を見に行ってみるか。オレは誰もいない所を探し、ステルス迷彩服のスイッチをオンにした。