第4楽章 神月明日歌─コウツキ アスカ─

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好奇心と臆病の間で、少女は考える。 この人は、信じても良い? 人をもう一度、信じる事ができる? グルグルと考えていると、ついこの間までの事を思い出す。 恐怖に包まれた家庭、信じることのできない養父母、事故を起こしたのに、何故か生きている自分。 ずっと一緒に居た姉妹は、養父母と共に死んでいた。 自分に、居場所はもう、ない。 そんな事を考えて、少女は弥王を見る。 弥王は、迷っている少女に手を差し出した。 「もし、君がここに居るなら、君はオレが守ってあげる。 何があっても、ね」 優しい言葉を掛けられたのは、いつ振りだろう。 自分を真っ直ぐ見て、微笑む彼。 少女の手は自然的に、弥王に伸びていた。 何故だか解らない。 だけど──。 「あ・・・・・・アスカ・・・・・・。 えと、神月(こうつき)明日歌・・・・・・です」 「神南弥王だ。 よろしくな、明日歌」 少女、神月明日歌は、差し出された弥王の手を握って、名乗る。 何故だか解らないけど、「この人に付いて行ってみたい」、明日歌は、そう思っていた。
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