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弥王が女装して夜会に潜入した時、何故か感じた既視感。
女装した弥王は、昔会った少女の面影があった。
だが、と、グレアは考える。
神南は男だ。 年下ならまだ救い様はある考が余計な事まで考えようとする。
弥王と璃王についてグレアが知っているのは、神南弥王、神谷(こうや)璃王という名前、2人とも今年で14だという事、2人の血液型と身長、2人がイタリア出身で、グレイが裏警察まで連れてきたという事で、あとは好きな食べ物や嫌いな食べ物などの日常で一緒にいれば解る様な事で、詳しい身元は解っていない。
グレイなら何か知っているのだろうとは思うのだが、グレイは頑なに語ろうとしない。
弥王と璃王も、それに触れようとはしない。
「あれ、璃王は?」
部屋を見回したグレイが、弥王に訊く。 弥王は答えた。
「璃王なら、一昨日の夜中からリオルを引っ張り出してどっか行ってますよ。
まぁ、今日の昼ぐらいには帰ってくると思いますが」
「そうなんだー。
リオルを引っ張って、って事は、市外か国外?」
「さぁ、そこまでは。
幾らオレでも、あまり入り込み過ぎない様にしていますから」
「まぁ、そっか。
璃王の事だから、弥王になら何でも話してると思ったけど」
グレアを放置して、グレイと弥王が話している声が聞こえる。
そうか、リオルの言っていた「明日は用事が」と言うのは、神谷と出掛ける為か。
グレアは、幼馴染で裏警察専属の操縦士、リオル・ルイスをちょっとパシろうとしたが、断られていたのだ。
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