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「まぁ、今日来たのは弥王と璃王の顔見に来たのもあるけど、新しい子、入ってきたんでしょ? で、何処に居んの?」
グレイは辺りを見回しながら、誰に訊くでもなく問う。
すると、グレアが部屋の隅を指した。
「そこに居るだろ」
グレアの指す方を見れば、ブラウスに黒いリボンを付けて、膝より少し短いスカートに黒いブーツを履いた明日歌が部屋の隅に立っていた。
グレイは彼女を見ると、一言言う。
「え・・・・・・弥王じゃん。
いつの間に着替えて移動したの?」
「オレはここに居ますよ?」
グレイの言葉に、グレイの後ろに居た弥王が声を掛ける。
グレイはその声に急いで振り返ると、弥王に訊いた。
「あ・・・・・・あれ? 今、そこに居なかった?」
「神南はずっと、グレイの後ろ(私の前)に居たぞ?」
顔を青くして部屋の隅を指すグレイに、グレアは弥王がずっとグレイの後ろ、グレアとデスクを挟んだ向かいに立っていたことを教える。
すると、グレイは部屋の隅と、自分の後ろを交互に見比べ始めた。
「え・・・・・・!?」
見比べて、弥王と同じ容姿の少女がいる事に気付いた、グレイ。
「ま・・・・・・まさか・・・・・・」
グレイは顔を青ざめさせながら、言葉を詰まらせる。
そして、グレイが次に放った言葉はこれだ。
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