卒業制作

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 もりに なまえが あるなんて ぼくは かんがえた ことが ありませんでした。 『あの もりの なまえは みなげのもり……』 「みなげのもり?」 『にんげんが もりに はいって いくのを みたことが あるか?』  ぼくは ぶんぶんと くびを よこに ふります。 『いきることが つらくなった にんげんが もりに むかう』 「それが げんきな からだと かんけいが あるの?」 『もりの おくにある ふかい みずうみに みんな しずんで いくんだ』  カラスが ぎしきのように おおきな つばさを ひろげました。
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