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「由依埜、お願いがあるの」
さくやさん(百代だが)がどこか懇願するようにいう。
その声の響きは秋に咲くマリーゴールドのように鮮やかで強い。
「この事件から……、特に秋継くんから手を引いてほしいの」
「ええっ。何で?あたし、ちっともわからないわ」
「お願い。わたし達の為を思うならわたし達に関わらないで。これ以上は、そっとしておいて!」
由依埜は息を呑んだ。
さくやさんを包んでいたオーラがどんどん薄まっていくのだ!
「いかないで。モモちゃん!いかないで!」
するとさくやさんの姿をした百代が「ごめんね……」と囁いた。
3章完.
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