4章

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「おいらはたった一つの願いがあった。それは……」 吾郎は恥じ入って俯く。 「誰かに手を握って貰うこと」 「手を握る?」 「そう。おいら、ホントは夢があるんだよ。おいら、ホントは少女漫画家になりたいんだ。紡木たく先生のホットロード。岩館真理子先生のうちのママが言うことには。吉田秋生先生のBANANAFISH……。」 吾郎は泣きながら---、 わらった。 さくやさんは缶コーヒーのふたをぷしゅっと開けると「読んでみたいですよ」とわらいながら言った。
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