第三章

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「へへっ。ありがとう、シュウちゃん。おいらはばかだから風邪なんて引かないよっ」 「それより調べてきたぜ、百代ちゃんの身辺。一番怪しいのはこの秋継和也(あきつぎ`かずなり)って同級生だな」 そう言って周二がひとりの少年の顔写真を示した。 「秋継くんが……!?そんな……まさか……」 由依埜が身を乗り出した。 「まあ、立ち話もなんだし、わたしの部屋に来ませんか。由依埜ちゃんたち。ジンジャーティーをごちそうしますよ」 さくやさんがす、と左手の人差し指を伸ばして動揺する由依埜を制した。 さくやさんの住む離れは吾朗たちの住むアパートから二十メートルほど離れた場所にある。一応二階建てで一階に小さなティールームがある。 そのティールームでさくやさんお手製のジンジャーティーを飲みながら、吾朗たちはさくやさんと周二の計画報告を訊いた。 「百代ちゃんが殺されたのは12月7日。死体が発見されたのが12月8日の朝の5時。本城児童公園の階段から何者かに突き飛ばされて転落死しているところが見つかった」
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