1.青空と"さよなら"と

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「俺、前に見かけた気がするんだよね。おじさんの相手」 夏の花火大会の話をした。 「……」 「マジで、ありえねぇと思うんだけど」 奥さんが入院してるってのに。 「親父、俺、おじさん来たら殴ってもいい?」 「やめとけ」 「なんでっ」 「お前が殴るような価値などない」  親父の目が、とても冷ややかなものになった。今までみたことがないくらいに。  いや、要が亮平に襲われた時、あの時の対応をしている時も、同じような顔をしていたような気がする。 「お前は、要くんのそばにいてあげなさい」 「ああ」 そう言うと、俺を病室のほうに押しやると、そのまま休憩室で、どこかに電話をかけはじめた。
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