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「俺、前に見かけた気がするんだよね。おじさんの相手」
夏の花火大会の話をした。
「……」
「マジで、ありえねぇと思うんだけど」
奥さんが入院してるってのに。
「親父、俺、おじさん来たら殴ってもいい?」
「やめとけ」
「なんでっ」
「お前が殴るような価値などない」
親父の目が、とても冷ややかなものになった。今までみたことがないくらいに。
いや、要が亮平に襲われた時、あの時の対応をしている時も、同じような顔をしていたような気がする。
「お前は、要くんのそばにいてあげなさい」
「ああ」
そう言うと、俺を病室のほうに押しやると、そのまま休憩室で、どこかに電話をかけはじめた。
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