1.青空と"さよなら"と

16/66
前へ
/316ページ
次へ
「ふーん」 いまひとつ、俺にはイメージがわかないけど、盛り上がってる人がいれば、それにつられて、みんなもやる気も出てくるもんだろう。 「要も、なんか自分のスマホの中から、面白そうな画像、探しとけよ?」 「え~。俺のなんか、たいしたのないよ」 「だったら、撮りに行け!」 「どこに?」 「どこにでも!」 そう言ったかと思ったら、こっそり耳打ちしてきた。 「それを理由に、先輩とデートでもしてくれば?」 ヤスがニヤリと笑う。 「っ!?な、何言ってんだよっ!」 真っ赤になりながら、ペチッ、とヤスの頭を叩いた。 「いってぇなぁ。もう、要ちゃんてば、恥ずかしがりやさんなんだからぁ♪」 「ヤスっ!!」 "キャー!"とか言いながら、逃げ出すヤスを追いかける俺。 昼休みは、ヤスとの追いかけっこのおかげで、あっという間に過ぎて行った。
/316ページ

最初のコメントを投稿しよう!

913人が本棚に入れています
本棚に追加