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できるだけ柊翔の勉強の邪魔にならないように、元旦の夕方には、さっさと自分のアパートに帰って来た。
殺風景な部屋の中は、正月らしさのかけらもない。
戻ってすぐにしたのは、仏壇に新しいお茶と線香をあげること。
「ただいま。」
一人で仏壇に向かっていると、自然と涙がこぼれてしまう。
ああ、俺、まだまだ、ダメだなぁ。
「母さん、ごめんね。泣き虫で。」
涙をぬぐっていると、スマホにメッセージの着信があった。
・・・柊翔?
『今、どこ?』
『アパートに戻ってる』
『これから、行く』
なっ?
こっちは、勉強の邪魔になると思って、引き揚げてきたというのにっ。
『勉強は?』
『正月三が日くらい、しなくても大丈夫』
そ、そういう問題じゃないだろう!?
『これから、買い物に出るから』
それだけ送ると、俺は急いでアパートを出た。
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