4.甘くて、甘くて、苦いもの

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柊翔のことを考えて、わざわざ帰って来たのに、俺の心配を気にすることなく、アパートまでやってこようとする。 そりゃ、嬉しい。 嬉しいけど、俺の心配してる気持ちとか、どうなるの? 俺は、悶々としながら、気が付けば駅のほうに向かってた。 実際、うちの近所には、元旦の、もう日が落ちてる時間にやってるスーパーはなくて、駅前のほうまでいけばあるかな、なんて、頭の中をよぎってたのは事実。 残念ながら、こっち側では見つけられなかったから、駅の反対側まで足をのばした。 「・・・おじいちゃんと、おばあちゃん、ずいぶんたくさんお土産くれたわね」 楽しそうな女の人の声が、聞こえてきた。 子供にでも語り掛けているようすから、帰省からの帰りなんだろうな。 少し、羨ましいと、思ったら。 「帰ったら、開けような。」 ・・・っ!? ・・・最低だ。 正月早々。 親父の声を聞くなんて。
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