4.甘くて、甘くて、苦いもの

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ついつい反射的に、振り向いてしまった。 視線の先には、親父が、また、あの子供に優しく微笑んでいる姿。 ・・・正月にどっちの実家にも帰ったことなんて、ここ最近なかったのに。 家族の風景を見せつけられて、固まってしまっている俺に、気づきもせず、親父たちは去っていく。 その姿を見送ることしかできない。 コートの中のスマホが揺れた。 無意識にスマホをとりだした。 柊翔の"どこにいる?"とのメッセージに、プツリと、何かが切れた気がした。 ふらふらと、駅前のバス停にあるベンチに座り込む。 そのまま、柊翔に電話をかけた。 『・・・どうした?』 少し、息をきらしたような声。 歩きながら話してるのかな。 『・・・どこ?』 「・・・東口のバス停」
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