4.甘くて、甘くて、苦いもの

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「それで、相談なんだ。」 真っ赤になった俺を、面白そうに見る柊翔。 「俺はもう卒業してしまうから、学校ではお前のそばにいてやれない。」 柊翔の手が、俺の頬を撫でる。 少し熱いその手に、思わず頬をよせてしまう。 「だから、その代わりに、朝倉か一宮を、お前の"彼女"ってことにできないかなって。」 ・・・・は? 思わず、身体が固まる。 「・・・なんで、そういうことになるんですか?」 あの二人が、そんなこと許すわけない。 冷静な一宮先輩は、軽く流すかもしれないけど、朝倉先輩のことを思うと・・・。 「こ、怖すぎます。」 「大丈夫だと思うけどな。あいつらも、隠れ蓑になるし。」 「・・・あんまり気にしてないと思いますけど。」 実際、いつでも、どこでも、ベタベタしてる気がするし、女子がベタベタしてたって、なんとも思わないんじゃないか? 「まぁ、男除けにもなるだろ?」 「どっちか片方しか、男除けになりませんよ?」 「あ・・・・じゃあ、二股にでもするか?」 ・・・ねぇ、柊翔。楽しんでませんか?
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