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「朝倉たちには、まだ話してない。俺と潤で話しただけ。だから、まだ決まった話じゃない。」
テーブルの上のチョコレートの箱の包みを剥がしだした。
「でも、あいつらが、少しでも要を守ってくれるんだったら。」
蓋をあけると、小さなチョコレートが並んでいる。
「俺も、卒業してから、心配しないですむ。」
一粒つまむと、俺の唇に押し当てる。
「口、開けて。」
口の中に放り込まれたチョコレート。カリッとかむと、甘酸っぱいベリーの味が広がる。
「美味しい?」
指先に、少しだけ溶けたチョコレートを舐める柊翔に、目を奪われてしまう。
「・・・うん。」
「俺の見える場所で、あいつらとイチャイチャされたら嫌だけど、卒業してからなら・・・我慢できる・・・かな。」
そう言って、優しく唇を重ねる。
甘い甘いチョコレートなのに、どこか、苦く感じるのは、これからのことを考えてしまうせいかもしれない。
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