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病院に着くと、前に行った大部屋にはいなくて、慌てて看護師を捕まえた。
「獅子倉さんなら、東棟の個室に移ってるわよ」
俺は急いで、病室に向かった。いつの間に、部屋が変わっていたのか。そんな話、要からは聞いていなくて、なんで教えてくれなかったのか、不安になった。
東棟の病室のあるフロアは、さっきまでいた大部屋のところと違って、気持ち悪いくらい静かだった。
教えられた病室をのぞくと、何人かの看護師と担当医が、おばさんのそばで機器を見ながら、様子を伺っている。
それを呆然と見ている要。
たった一人で、椅子に座っている姿が、痛々しくて。
「要」
声をかけずにはいられなかった。
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