1.青空と"さよなら"と

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病院に着くと、前に行った大部屋にはいなくて、慌てて看護師を捕まえた。 「獅子倉さんなら、東棟の個室に移ってるわよ」 俺は急いで、病室に向かった。いつの間に、部屋が変わっていたのか。そんな話、要からは聞いていなくて、なんで教えてくれなかったのか、不安になった。 東棟の病室のあるフロアは、さっきまでいた大部屋のところと違って、気持ち悪いくらい静かだった。 教えられた病室をのぞくと、何人かの看護師と担当医が、おばさんのそばで機器を見ながら、様子を伺っている。 それを呆然と見ている要。 たった一人で、椅子に座っている姿が、痛々しくて。 「要」 声をかけずにはいられなかった。
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