1.青空と"さよなら"と

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「あ、親父?今、いい?」 おじさんは、俺の親父と同じ会社。部署は違うはずだけれど、親父に聞けばわかるはず。 「要のお母さん、やばそうなんだ。要の親父さんに、全然連絡つかないらしくて」 電話越しで、だいぶ忙しそうなのは伝わってくるけれど、それどころじゃないのは、親父だってわかってる。 「……え?何それ」 要の親父は、1週間の有給休暇をとってる、だと? 「要、何も聞いてないみたいだけど」 『!?』 「とりあえず、親父のほうからも連絡とってみてよ。俺、母さんに連絡する」 あの、バカオヤジ、何やってんだよ。頭に血がのぼってたけれど、場所を考えて、思い切り壁を叩くだけにした。
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