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「連絡とれた?」
「ああ。会社の携帯のほうは、電源入れてたみたいでな」
なんだよ、それ。要には、そっちは教えていなかったってこと?
仕事の電話には出られて、家族からの連絡は受け付けないってか?
「で、今どこ?」
「……北海道だと」
「……はぁ!?」
「今から戻っても、明日になるとか」
苦々しく言う親父。普通なら、飛行機に乗れば帰って来れるような時間だというのに、明日とか、何呑気なことを言ってるんだ?と思ったと同時に、どんな辺境に行ってるんだよっ、と怒りが湧き上がる。
「なんだよ、それっ!」
「それは、俺の方が言いたいっ」
声を殺しながら、壁を思い切り殴りつけた。
……やっぱ、俺たちは親子だな、と思った。
「要くんは?」
「今、母さんが相手してる」
「そうか……獅子倉が、こんなヤツだとは思わなかったよ」
「……その北海道って、誰と一緒に行ってるの」
「え?」
「だって有給なんだろ。そんなとこ、一人で行くわけないじゃん。息子置いてなんてさ。」
「……」
苦虫を噛み潰したような顔の親父。
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