1.青空と"さよなら"と

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「連絡とれた?」 「ああ。会社の携帯のほうは、電源入れてたみたいでな」 なんだよ、それ。要には、そっちは教えていなかったってこと? 仕事の電話には出られて、家族からの連絡は受け付けないってか? 「で、今どこ?」 「……北海道だと」 「……はぁ!?」 「今から戻っても、明日になるとか」 苦々しく言う親父。普通なら、飛行機に乗れば帰って来れるような時間だというのに、明日とか、何呑気なことを言ってるんだ?と思ったと同時に、どんな辺境に行ってるんだよっ、と怒りが湧き上がる。 「なんだよ、それっ!」 「それは、俺の方が言いたいっ」 声を殺しながら、壁を思い切り殴りつけた。 ……やっぱ、俺たちは親子だな、と思った。 「要くんは?」 「今、母さんが相手してる」 「そうか……獅子倉が、こんなヤツだとは思わなかったよ」 「……その北海道って、誰と一緒に行ってるの」 「え?」 「だって有給なんだろ。そんなとこ、一人で行くわけないじゃん。息子置いてなんてさ。」 「……」 苦虫を噛み潰したような顔の親父。
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