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真夏の太陽が、ジリジリと照りつける。
「ただいま。ふう…暑い、暑い。」
今日の彼は、仕事で、炎天下をあちこち移動したらしく、帰ってきたときには、熱中症一歩手前だった。
「明日、仕事だったら、絶対、ずる休みする。」
そう言いながら、冷蔵庫を開けて、ミネラルウォーターをがぶ飲みしている。
「はぁ…やっと、一息つけた。」
今、側にいったら、汗でムッとしてるなって思ったから、少し離れたところにいたの。そうしたら、彼ったら、薄笑いしながら、寄ってきた。
「今、側に来るの嫌なんだぁ。そうだよなぁ。汗だくだもんな、俺。こんなのに引っ付かれたら、鬱陶しいよなぁ。」
わかってて来るの?!
後ずさるけど、そこは壁で…。
「…逃げんなって。」
私は、むぎゅと、抱き締められた。
『………助けて~ぇ!!!』
身悶えながら、必死に、暑苦しい腕からすり抜けようとするんだけど、逃げらんない。
「やっぱ、思った通り、気持ちいいなぁ…。ずっと、部屋のなかにいたからか、お前、冷てぇなぁ。う~ん、気持ちいい。」
『わ、私は、気持ちよくな~ぁい!!』
「…ごめん。そんなに嫌だったのか?」
『うんうん、嫌だよ…。』
涙目の私と視線を絡めたまま、おでことおでこを着けてくる。
「悪かったって…許してくれるか?」
『…仕方ないなぁ。』
私は、思わず許してしまう。だって、私を見てる彼の瞳が、すごく優しいんだもん。
「一緒に、シャワーしようぜ。」
私は、バスルームへ連れていかれた…。
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