第1章

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ある日、私の耳に言葉が届かなくなった。 理由はすぐに分かった。言葉が軽くなり過ぎて、耳に届くよりも早く、何処かへ飛んでいってしまったんだ。 言葉は日々、 人の心を平気で傷付ける。 人の死をおざなりに扱う。 生死を問わず、奔放で狼藉者な言葉達が重みをなくすなんて、考えずとも必至だった。 こんな世界なら聞こえない方がいいのかもしれない、そう思い始めていた。 .
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