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「学校からの送金が最近やたらと増えた。夏歩(カホ)、順位は何位なんだ?」
清白夏歩(スズシロカホ)
女みたいな名前の俺は、ここの居候、本当の親じゃないけど、このおじさんは、親みたいに接してくれる。
「だーかーら、こないだも言ったけどそんなに簡単に上がらないよ。600番代、まぁ、去年は3000番くらいだったから送金が増えたのはそりゃそうでしょ?」
ニッコリ笑って言う夏歩に、おじさんはため息をついた。
「そうか?100番以内にはなるなよ?俺は息子を失いたくないからな……
それじゃ飯だ!早く降りてこい!」
そう言うと階段を降りていった。
夏歩は、ベッドに、仰向けに倒れると天井を見てため息を深くついた。
「息子ねぇ……」
手の包帯を見て、反対の手で腹部を抑える。
おじさんの名前は、黒須淳(クロスジュン)養子の俺の父親で定食屋のおじさん、おじさんの左手は義手で、この国の英雄だった人だ。
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