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カフェの店員さんかと思ったけれども、今時と言えるお洒落なジャケットにジーンズ姿の若い―…
若くて、綺麗な容姿をした男性だった。
「お姉さん、その封筒の中身なに?っていうか、お金でしょ?」
「は……?君、いきなり何……?」
「あなたじゃなくて、こっちのお姉さんに聞いてるの。いくら入ってるの?」
「そんなこと君に関係ないだろう。何でもいいが僕たちの邪魔をしないでくれないかな?」
いきなり割って入ってきたかと思うと封筒の中身を問いただしてきた若い彼に、久保さんが声を強くする。
私はただ戸惑っていると、
「俺ね、このオジサンが他の女の人達とも今みたいな会話してたの聞いてるんだよね」
「はぁ……?」
「他の女の人達からも封筒を受け取っていて、その中身は確かに現金。無事に受け取った後は熱く相手の手を握って、〝愛しているよ”って胡散臭い愛の言葉―…だっけ?」
突然現れた彼は、そう口にして、
「ねぇ、お姉さん、変なのに騙されてるんじゃない?」
と、視線をこっちに。
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