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さっき買った生鮮品を冷蔵庫にしまい、冷やしていた水出し紅茶を取り出してグラスに注ぐ。
まだ私の部屋のソファーで寛いでくれる悠馬が見えて、嬉しく思ってる。
「―…アイスティーどうぞ」
「ありがとう」
「それも台本?」
グラスをテーブルに置くと、悠馬がまた本を手にして眺めていた。
でも直ぐに、
「それ……」
悠馬が今手にしている本は私が読みかけている小説だ、って気付く。
三島由紀夫の全四巻から成る長編小説、豊饒の海の第一巻。
春の雪。
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