5、初メテ

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「あ、図星?というか、実の事を言うと、この間アンタが騙した〝カノジョ”俺の知り合いなんだよね。結婚ちらつかされて騙し取られたって」 「適当な嘘をつくな。いい加減に―…」 「なんなら、ここに呼び出してもいいよ?」 「く……っ……」 久保さんの表情が確かに、険しく歪むのを見た。 「久保さ……」 「ごめん―…繭子、今日はゆっくり話せそうもないから、また連絡するよ」 私には穏やかな表情を見せてくれるものの、瞳の奥はそうじゃない。 「オジサン、やっぱり逃げるんだ?」 「煩い……どけ……っ!」 久保さんは席を立ち、突然入ってきた彼を睨むようにしてカフェを出て行った。
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