第3話 それぞれの思惑

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 ※  おっちゃん、助けてくれ。  彼女の考えていることが全く分からない。  防具屋を出た後、俺は内心でおっちゃんに助けを求めた。  彼女が俺に買ってくれたコスチューム。  白羽付きの貴族帽子に、白いマント、上半身だけミスリルの鎧、下がカボチャパンツで、履き物がアヒルのスリッパ。 「あとは、これをこうして、最後に腰に双剣のズッキーニを装備してと。  ーーはい、出来あがり」  ……。  満面の笑みで彼女が俺に言う。 「これで私たち、フレッシュで弾けた恋人同士だね」  ……。  フレッシュって何だろう。  恋人ってなんだろう。  いじめられてるのか? 俺。   ってか、双剣ってなんだよ? ただのズッキーニだろ、これ。  俺は装備された二本のズッキーニを外そうとした。 「あーん、ダメ! とらないで。せっかくの私の恋人理想像がーー」  合成獣(キメラ)か? 俺は。全身のコーディネートがぐだぐだじゃねぇか。  「あーん、やめて。とらないで」  ……。  脱ごうとするも、彼女が全力で俺を抱きしめて引き止めてくる。  しかも残念なことに、その時の彼女の膨らみある胸の感触が、上半身の鎧によって阻まれる。  何もかもが俺にとって生殺しの防具だった。  
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