Πの参

19/29
前へ
/350ページ
次へ
 時計を確認したら急にお腹が空きだした。  コンビニにでも寄って、パンかおにぎりでも買って食べながら帰ろうと思い、スマホを操作しながら歩き始める。  高校でいつも一緒にいる、ちょっとお調子者のアカネと、派手で姐御系の好美のどちらに電話をしようか考えたものの、そういえば、二人にも聖人との秘密の関係を話していないことに気が付いた。  これで、聖人と上手くいったのならば自慢も出来るが、学校内のマドンナであり、自分達の学年でも憧れの的であった香澄の死を利用して、彼の心に付け入る真似をしておいた挙句、家からほっぽりだされただなんて口が裂けても言えない。
/350ページ

最初のコメントを投稿しよう!

142人が本棚に入れています
本棚に追加