Πの参

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「ふ……ん。まぁ、コイツでいっか。海岸沿いのコンビニに自転車で迎えに来て貰おうっと」  知らず知らずのうちに住宅街から離れ、雑木林と畑が続く人が殆ど通らない小道に入っていたことに、そこで気が付いた。  キョロキョロと辺りを見渡すが誰もいない。  薄気味悪い蛙の鳴き声にビクリと肩を震わせるが、虫の音は規則正しいテンポで鳴り、別に怪しい雰囲気も、自分以外の足音も何もないことに安堵の溜息をつく。
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