142人が本棚に入れています
本棚に追加
「香澄先輩も、昨夜はこんな気持ちで歩いていたのかな……ううん。今までは変な事件なんか無かったし、こんな田舎道。暗くたって、ジモティーだったら慣れてるもん。心細くなんて思うワケないわ」
心細さを振り払うように軽く頭を振り、スマホの画面に呼び出した電話番号に目をやり、『電話をかける』という表示をタップしようとした時、耳元でシュッと空気を切り裂く音が響いた。
「え……?」
背後から冷たい風が頬を掠めたような感覚を受け、少し離れた地面に何かが突き刺さる。
ヒリリとした痛みが走り手を添えると、生温かいヌルリとした感触。
最初のコメントを投稿しよう!